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書き順は大事?間違ってもいい?

小学2年生のむすこは毎日2つずつ新しい漢字を習ってきます。ところが困ったことに、家で宿題の漢字練習をしているのを見ると、だいたい2つのうち1つは書き順が間違っとる!

それでも2年生になっておおよその法則は掴めてきたようなのですが、1年生の最初はひどかったです。

まなびべやの子どもたちを見ていると、「口」(くち)を一筆書きで書いたり「右」と「左」の書き順が逆になっていたりは”あるある”ですが、中には「ち」を下から書くという大胆な子もいました。

書き順を教えるのが難しいのは、書いている時に横についていないといけないこと。

書いた字を後からチェックしたのではどう書いているのかわからないので親も学校の先生も間違いになかなか気づきません。しかも、一度覚えてしまうと直すのがたいへん。なんとやっかいな……

「でも、私の世代ですら、PCやスマホで文字を打つことの方がはるかに多いのに書き順なんて覚える必要があるのか?」

と、疑問に思ったことのある方も多いはずです。

実は私も、あまりの書き順間違いの多さに、いっそ、書き順はいいからきれいに書けと言ってやった方がいいのではと思ったこともあります。1年間で習う漢字の数は、1年生80字、2年生160字。全ての書き順を正しく覚えるなんてこの子にできるのだろうかと。

そして、大きな声では言えませんが、むすこのノートを見て「うわ、私書き順間違ってるやん」と思うこともしばしば……

今は色々考えた結果、書き順の学習というのは正しい順番を覚えること自体が大切なのではなく

「物事には順序というものがあり、順序は守るべきだ」

という概念を覚えるために重要なステップなのだと思うことにしました。

例えば、料理や工作などのものづくりや理科の実験においては、順序がとても大事です。野菜を入れる順番にも、調味料をフライパンに入れる前に合わせておくのにも、理由があります。化学薬品を混ぜる時も、順序を間違えばたいへんなことになってしまうかもしれません。大人になってからも、「ものごとには順序ってもんが……」という苦言を度々耳にしてきたような。

国語の学習の基礎となる字の練習において「順序を意識すること」も一緒に身につけられるというのは、なかなか良いことのように思えるのです。

正直なところ、むすこは書き順間違いを指摘しすぎると心が折れて逃げ出してしまうので、最近はけっこう見逃すようにしています。他の字とも共通する大事なところはおさえて、後は様子を見ながら。一人ひとりの性格や学校での指導とのバランスも考えながら、これからも子どもたちのへんな書き順を直していきたいと思います。